■向井秀徳・三栖一明&永戸鉄也トークショウ(2002年9月11日) |
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![]() 決して広くない会場には40人程度お客さんが入り、熱気に包まれていました。 左写真:トーク中の一コマ。熱心に話に聞き入るお客さん。なんだか教室で授業を聞いているようなトークショウ。一番左は進行役のアペルの高橋さん。 |
※以下トークショウの内容を簡単にまとめたものです。このトークショウの模様はアペルが不定期で発行している小冊子に掲載される予定らしいので、ちゃんとまとまったトークショウの内容はそちらをどうぞ。
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![]() 高橋:「みなさんは自分のやっていることは、アートではなく仕事だという意識があるんですか?」 永戸:「ベタですけど、オリジナルということにこだわっていて、どういう職種になれるかというのがありますね。金にならないとダメですから。表現して、お金にして人から評価されるところまでは行きたいです」 三栖:「僕はあんまり物を作ってるときはお客さんのリアクションとかは想像できないし、どれだけ面白いものを作れるかっていうのに集中してますね」 向井:「職業としての意識はありますね。自分だけでなく、他者を面白がらせて初めて自分が気持ちよくなれるっていうのがあります」 高橋:「アマチュアの時からそうですか?」 向井:「それが最初からあるからこそ、東京に来てやったりしてるわけですよ。『俺はコレが面白いと思う。おもしろいやろ?』って言って『うん』って言われて初めて満足しますね」 高橋:「サービス精神ですか?」 向井:「サービスじゃなくて、首根っこ捕まえて『おまえ…、いいって言えよ』っていうようなもんじゃないですかね(笑)」 高橋:「でも捕まえるのが大変ですよね、そのためにアートワークとかがあるんですね」 向井:「まさにそうですね、狩りをするのは自分で捕まえて来なきゃいかん。だれか他の人が捕まえてきてくれて、はいどうぞって出されるってわけじゃないですからね」 高橋:「でも日本のCDジャケットって、有名なデザイナーさんに頼んで何とかしてくださいって頼む傾向がありますよね。欧米のアーティストは『自分たちの音楽があって、それにビジュアルをつけたらこうなった』というものが多いと思うのですが、ナンバーガールはそれに近い物があると思います」 ![]() 向井:「永戸さんのビジュアルは日本的なものが全てにあると思いますね。水墨画みたいな感じがするんですよ。永戸さんが物を見て感じて描いたという印象があります」 永戸:「意識して日本的にしてるわけじゃないですけど、この前三栖さんとも話したんだけど、無常観というかそんなのが蔓延してる世の中だから、そういうのは作ってるものの中に入りますね」 向井:「こっちの勝手な感想なんですが昔、チェルシーQでコイツ(三栖さん)がコピーで作ってた感覚にすごい近いものを感じまして、すごい感銘を受けたんですね。『いびつだけど笑かす』みたいな。そこはナンバーガールがやってることもそういうことだと思ってるんですが。なんか…『ウエ〜〜』ってなってるんですけど、それを『見てくださいよ〜〜』っていうんじゃなくて、いびつな気色悪い感じを楽しいポップな感じしてるという。そういうところに共感しますね。」 高橋:「『見てくださいよ〜〜』ってのじゃないっていうのは、結構重要ですよね。見てもらうために作ったので見てください。という人とは違いますよね」 向井:「でもそういう物つくりをしてる人はそういう人じゃないですか。さっきから店長(高橋)、そういう人たちと比べようとしてるところがあると思うんですが、そういう人たちはそういう人たちでいいんですよ」 永戸:「だから、外野なんですよ。僕たちは。」 (おお〜〜。と、場内納得の拍手が巻き起こる) ![]() 永戸:「僕は最初に話もらったときに、ナンバーガールを見て好きだって言ったんだけど、それは神経症の犯罪者の絵にソックリだったからなんですね」(向井氏を初め、場内爆笑) 永戸:「それが重要なんですよ。犯罪者達の描く絵がすごい好きな絵なんです。それは狙ってるのか、狙ってないのかわからないけどそこが一番デカイですね。印刷物になったときの三栖さんの仕事は『ファンクラブ』のチラシを見たときに、狙ってるんだろうけど、その狙いの方向が好きだ、っていうのがありました」 向井:「我々は『音楽があって、アートワークがある』ということでやってるんだけども、アートワークの部分で注目してもらって、そして永戸さんと共通するものがあると、いうことでイベントをやってもらったっていうことは、俺は嬉しかった。それに実際、永戸さんのやってることを見て確かにビリビリくるものがあったんですね。それがよかったですね。実に」 ![]() ![]() 向井:「おまえは最近なにが好きなん?」 三栖:「最近、近い感じでムカついたのがfOULの新しいアルバム」 三栖一明、坂本商店のジャケットデザインを担当している石川兄貴のアートワークに、対抗意識を燃やしているらしい。 三栖:「センス的なところに…それ…ムカツク…チクショー!」 向井:「確かにあれは素晴らしい」 |
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