SCHOOL GIRL BYE BYE〜初期
「SCHOOL GIRL BYE BYE」にも表面はなにも書かれていない。


指定をミスして緑になっちゃった盤面。
まだデザインが「カワイイ」1999年頃。
:最初ジャケットの全然デザインが決まらなくて、中のデザインを作ったんですよ、丸の中に向井のマンガ。っていう、そしたら向井が「コレ面白い、これ表にもってこい」と。「タイトルどうする?」 「いらんやろ」って(笑)。
だから福岡限定ですけど、ジャケットに「SCHOOL GIRL BYE BYE」ってかわいい赤いシールが貼ってあったんですよ。
はじめてジャケットなんて作って、わからなくって盤面の指定を間違えたんです(笑)。全部水色のデザインのハズだったのに、最初に作った200枚の盤面が緑色になっちゃって。次に増刷した200枚は水色に直したんですけど、さらに400枚増刷したらまたもとの緑色にもどってました。今K.O.G.Aから出てるのは水色です(笑)。
:このころのジャケットデザイン、文字とかかわいいですよね、だからRedが最初勘違いしたって、いう。
:勘違いというか、最初聞いたときに写真がないし、ジャケットと声だけで勝手にかわいい系の男子が歌っていると想像してたんですよ。まさか酒豪、九州男児、おっさんみたいなメガネくんだとは……。
:でもそれは、あながち間違ってないとういか…これを作ったときは向井も「メガネで、ちょっとかわいい」みたいな路線を狙っていた時期だったから。「小山田先生〜」みたいな。
:わー!!(驚愕&爆笑)
:そんな時期もあったんですね(笑)。
FAN CLUBの最初のころのチラシとかもまだカワイイですよね。
:なんていうか、ハッキリしてなかったんですよ。でもどんどん変わってハッキリしてきたんだけど、このころ(99年くらい)はまだ「ギターポップ」だと勘違いする媒体とか、お客さんとかいたんですよ。「違うぞこの野郎!」って天の邪鬼にやる……、前ですね。これは(笑)。
:「透明少女」が出る前くらいから段々とナンバーガールらしさ、みたいな物になっていきますね。
:そのころから、英語表現じゃなくて、日本語表現で、なおかつ、安易なアングラな感じじゃなく、ポップな感じも残しつつ、みたいな「ナンバーガールらしさ」が出てきた感じです。
FAN CLUB5〜6
FAN CLUB5と6のDM

赤の版と黒の版が激しくずれている。
:FAN CLUB5のハガキ、ボク好きなんですよ(笑)。アナログぽくていいでしょう。
:たしかに昔っぽいデザインですね。
:一番聞きたかったのはFAN CLUB6のDMです! これは一体なんなんですか? ひどく人を不安にさせるような…(笑)。
:これはね、パニックスマイルとやるイベントだったので、かつての「チェルシーQ」のノリで作りました。「チェルシーQ」はオルタナティブでかつパンクでノイズなアバンギャルドなイベントだったんですよ。ボクのなかでは(笑)。そういうイメージで、赤と黒2色を同じ版で重ねて、版ズレはありで、ありっていうか、ちょっとわざとズラしたんですけど(笑)。文字間も離したりして、かつてのアナログ作業を彷彿とさせる感じで作りました。
:このイラストは??
:。昔「レイガン」っていう輸入物の雑誌があったんですけど、そこに「音楽感想画」の投稿コーナーがあって、それが面白くて、よく使ってたんですよ。これもそこからパクリました(笑)。パニックスマイルってこういう感じでしょ? ピロピロピロ〜〜!!って(笑)。スーパーチャンクとのFAN CLUBのチラシも同じように作ったんですけどね。変な絵でしょ(笑)。
SAPPUKEI
ナゾのグラフ。読んでみても意味不明。

向井画伯によるポンチ絵。



三栖さんの手によるムササビと鳩

:このジャケットも中とかすごいんですけど…。
:このグラフは一体…? なんか、教科書にあったものとか、原体験にあるものとかそういうのがイメージされるものが、多いですよね、このジャケットは。
:「SAPPUKEI」のときはそういう感じにしましたね。「YARUSE NAKIO のBEAT」の歌詞がそういう感じだったので、小学生の時の記憶とか、切ない感じとかを主に考えて作りましたね。「BRUTAL NUMBER GIRL」のイラストは「ポンチ絵」っていうんですけど、第一次世界大戦の時の風刺画みたいなやつですね。「YARUSE NAKIO のBEAT」のところにあるのは文明開化の頃の「牛なべ」をつついている絵。「それを最初は教科書とかから持ってこようかって話しもしてたんですけど、向井が「オレが描く」って言ったので、こういう感じになりましたね。
:この「TRANPOLINE GIRL」のムササビは三栖さんが描いたんですよね? 「URBAN GUITAR SAYONARA」のタワーレコードでもらったステッカーにも鳥がいたし(狂う目にいるとの一緒)、なんか三栖さんはカワイイイラスト描きますね。
:あ、その鳥は鳩ですね(笑)。うちね、実家が共産党員なんですよ。だから家に党が発行してるチラシとかがあって、そこに挿絵が載ってるんですよ。カット集に載ってるみたいなやつね。ああいうチラシって、切ないんですよ(笑)。寂しいからイラストをいれようっていう考えで入れ込まれるカット。カワイイって言っても中途半端なね(笑)。そういうのが記憶の中にあって、ああいうのが出てくるんですよ。歌詞にもあるけど「記憶と残像」みたいな、それがデザインするときに重なって出てくるんですよ。「記憶が妄想に変わる」ってのもあって、ずっと覚えてることを今の状態で呼び起こそうとすると段々妄想に変わってキチガイみたくなる。そのキチガイがギターの音になったり、叫びになったりしてはき出されれていく。
:じゃあ、デザインするときのテンションと、歌詞を作ったり、歌を歌ったりするときのテンションはかなり似てるんですね。
:向井はジャケ作るときは同じテンションでやりますよ。向こうがジャケ作るときはもうレコーディングもやってきてて、テンションが高いんですよ。それにボクが追いつけないとできない。だから、必死に同じところまでテンションを持っていって、一緒にキチガイになってやる。
:で、できあがるのがこういうジャケットなんですね…。